さおり先生の大人のための食育質問箱vol.1「生活習慣病の患者さんに病気になる前に伝えたかったこと」

  1. コラム

「牛乳って身体に良いっていうけど、どうなの?」
「腸内細菌っていう言葉、よく聞くけど、なにをどうしたらいいの?」

食のこと、健康のこと、興味はあるけれど、情報は溢れるばかりでどれを信じたらわからない、っていうことないですか?
また、これがいいとか悪いとか二元的な話にばかりになって、結局どうしたらいいのかわからないこともよくある話です。

このコーナーでは管理栄養士の橋本沙織先生に、食のこと・健康のこと、正直なところをお話頂こうと思います。
読者のみなさまから質問を募集しておりますので、普段の疑問、是非お送り下さい!

第一回目は編集部からの質問。はじめて出会った時におっしゃっていた、

「病院で栄養士をしていた頃、患者さんと病気になってから出会うわけです。
ああ、この方たちが病気になる前に出会えてたら、私にできることがもっとあったはず!とずっと思ってました。」
というお言葉がとても印象的でした。ではもし病気の前に出会えてたら、どんなアドバイスを送っていたのでしょう?というのが今回の質問です。

頂いた回答には、すぐに始められるヒントがありました。
みなさまも是非お読みください。


はじめまして、管理栄養士の橋本沙織です。

私は今、フリーランスの管理栄養士としていろいろな仕事をさせていただいていますが、
この仕事をする前は病院で仕事をしていました。

栄養指導、がその主な仕事ですが、そこでは糖尿病、高血圧、脂質異常症、様々な腎臓病、
いわゆる生活習慣病の患者さんたちのお食事内容を中心とした生活をお聞きして、ドクターの指示のもと、
病気が今後悪化していかないような生活をご提案するというものです。

いらっしゃるのは50代~70代の方が多いのですが、いつも思っていたことがあります。
この方達に病気になる前にお会いできたら良かったのにな。

生活習慣病というのはその名の通り生活習慣が原因で特に肥満によって引き起こされ、罹患する病気です。
なので一度や二度、暴飲暴食をした、一年くらい運動していないな、くらいではこの病気にはなりません。

長期に渡った良くない生活習慣が続くことによる体重の増加で病気になるのです。そして完治するものはあまりなく、通院や服薬で一生付き合っていかないといけないものが多いです。中にはお仕事に支障が出たり、お金がかなりかかったりもしてきます。

私たちは毎日3食食べ、身体を動かし生きています。そして歳をとって行けば年々代謝は落ちていきます。30年前に比べたらどんどん社会は便利に、食べ物は豊富になってきています。食べたいものを食べ、便利さに合わせて動いていればどうしても病気の原因はすぐ習慣化になりやすい世の中です。

しかしながらちょっと生活を見直して頑張れば、気を付ければ、それは習慣化して健康な体を無理なく維持することができます。階段を使う、などの運動もそうですが、こんなちょっとのことも有効なのです。

例えば

  1. ご飯の量を一口減らしてみる・・・ご飯は一杯約150g、240kcalくらいになります。一口だと15~20kcalくらい。一日3食ご飯を一口減らしてみると約50kcal、一週間で350kcalエネルギーを減らせることになります。この350kcal、は体重60kgの人が約50分ジョギングして消費するのと同じエネルギーになります。

  2. 野菜を先に食べる習慣をつける・・・食事をするとき、先ずはあたたかいご飯から!の方も多いのでは?ご飯は糖質を多く含む食品、食べた後血糖値がすぐに上がります。野菜から食べることで{食物繊維}の影響により血糖値の上昇を緩やかにすることで、膵臓から出る「インスリン」が肝臓やぶどう糖を届ける量が少なくなり、エネルギー源として消費されやすくなるため、脂肪が増えにくくなります

  3. 朝食になにか口に入れる・・・夜ご飯を食べてから寝ている間にも私たちの身体は生命維持のためにエネルギーを消費しています。朝目覚めてから何も食べない空腹感の状態が長く続くと身体はエネルギーを脂肪としてためておこうとしてしまいます。またその後、昼食を食べるとお腹がすいてドカ食いしてしまいがちになるだけでなく、血糖値が低いところから急に上昇してインスリンが大量に分泌されます。インスリンは脂肪の合成を促進するので太りやすくなってしまいます。

私が出会った患者さんたち。もし病気前に出会えてたら、上記のように少しだけ生活を見直す機会を提案していたはず。そうすれば病気にはきっとならなかっただろう、と思っています。

ご自身の生活習慣いかがですか?

管理栄養士 橋本沙織
管理栄養士として10年間の病院勤務後、フリーランスに。母になり食の大切さを改めて痛感。「食べることは生きること」をモットーに、B-LIFEを主宰。
食に関する体験を通じて食の大切さを実感してもらえる企画を主催。
糀エヴァンジェリストとしても糀料理教室や基礎講座などを通して活動中。2人の男の子のお母さん。


質問募集中!
編集部 info@igacreate.comまでお送りください。

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